会社の名前を決める。住所を用意する。書類をつくる。申請する。
手続きの一覧を読むと、やることは分かった気がします。でも、まだ想像できないことがあります。
「これ、普段の仕事をしながら、どれくらい動けばいいんだろう?」
どうも。プロの引きこもり、まつながです。ぼくは2025年に、一人で合同会社をつくりました。
やってみて分かったのは、手続きの数と、体感する負担は同じではないということです。入力する作業もあれば、品物や書類が届くのを待つ時間もある。窓口へ行くなら、移動まで予定に入ります。
この記事では、その負担を作業・待ち時間・外出の三つに分けます。完全な申請マニュアルではなく、自分の仕事や生活に合わせて準備の見通しを立てるための記事です。後半では、ぼくの準備で起きたことを「何を先に確認するか」へ置き換えて表にしています。
この記事の結論
- 作業する時間と、完了までに経過する日数は分けて考えます。
- 社名や住所など、後の書類づくりの前提になる情報を先に整理します。
- 申請方法によって、準備物や外出の必要性は変わります。
- 登記後の届出や口座の利用開始も、設立準備とは別の工程として確認します。
1.自分でする作業は「決める」と「入力する」を分ける
書類の入力を始める前に、決めておく情報があります。
ぼくの場合は、社名、住所、事業目的、資本金、決算月などを整理してから、会社設立ツールへの入力を進めました。
入力画面を開いて初めて考え始めると、調べることと記入することが混ざります。「書類作成が進まない」と感じても、実際には住所の候補を確認している途中かもしれません。
そこで、準備メモを二つに分けます。
| 決める・確認すること | 決まったあとにする作業 |
|---|---|
| 社名と住所の候補 | 選んだ申請方法に沿って情報を入力する |
| 法人で行う事業 | 必要な書類や記載内容を確認する |
| 資本金・決算月など | 書類間で情報が揃っているか見直す |
これは準備の整理例です。必要書類や要件は、選ぶ方法と自分の条件で確認してください。
ぼくはマネーフォワードの設立ツールを使いました。使い慣れたサービスに揃える選び方でしたが、すべての人が同じツールを使う必要はありません。
2.待ち時間は、作業が止まっている時間とは限らない
品物の到着や、依頼先の対応を待っている間は、自分が頑張っても短縮できないことがあります。
ぼくが当時選んだ方法では、会社の印鑑を注文したり、書類の到着を待ったりする工程がありました。電子定款のCD-Rを用意する段階では、手元のPCにCDドライブがなく、作成を依頼することにもなりました。
これは2025年当時のぼくの方法です。今のすべての設立方法に、印鑑やCD-Rが同じように必要という意味ではありません。
準備物を買う前に、使う申請方法やサービスで何が必要かを確認します。
待つ工程には、「いつ頼むか」「何が届いたら次へ進めるか」を書いておくと、今日する作業を選びやすくなります。返事を待つ間に、別の確認を済ませることもできます。
自分の作業が終わっているなら、待っている自分を責めなくてよい。そのためにも、作業時間と経過日数を分けておきたいです。
3.外出の負担は、窓口にいる時間だけでは測れない
ぼくは書類を準備して、法務局の窓口へ提出しました。設立後も、届出に関する準備や窓口への移動がありました。
書類を渡す時間が短くても、印刷や移動まで含めると、一つの用事になります。普段は自宅で働いている人なら、仕事の合間に外出を入れる負担も見ておきたいところです。
ただし、一人で会社をつくる人が、必ずぼくと同じ窓口へ行くわけではありません。
登記・供託オンライン申請システムでは商業・法人登記のオンライン手続きが案内されています。国税庁の法人設立届出書の案内にも、e-Taxと書面での提出方法が示されています。オンライン登記の案内、国税庁の届出案内
外出を予定する前に、次を確認します。
- 自分が選ぶ手続きは、オンライン・郵送・窓口のどの方法で進められるか。
- 必要な機器や本人確認、添付書類は何か。
- 自分の提出先はどこか。事前に確認・予約が必要か。
オンラインなら準備がゼロになるわけではありませんが、方法を確認してから予定を組むほうが、自分に必要な動きが見えやすくなります。
4.登記が終わったあとも、別の工程がある
会社の登記、設立後の届出、法人口座の利用開始は、同じ完了地点ではありません。
ぼくの法人口座の申込みは、身構えていたわりにスムーズでした。ただ、口座を使えるようになったのは、本で整理した約30日間よりもあとです。「申込みができた」と「使えるようになった」は、分けて記録しています。
設立後の届出については、税務署だけでなく、自分の条件に応じた自治体や社会保険の手続きも確認します。国税庁の新設法人の届出案内、日本年金機構の新規適用案内を確認先の入口にできます。
本の「○日目」は、ぼくの経験をたどるための日程です。法律上の提出期限のモデルにはなりません。自分に必要な手続きは、それぞれの期限を別に記録してください。
ぼくの準備で見えた、工程のつながり
「社名を決める」と「書類を作る」は、別々の用事に見えます。でも、入力する情報が決まっていなければ、その先の書類も仕上げられません。ぼくが経験した作業を、後の工程とのつながりで整理すると次のようになります。
| ぼくが2025年に進めたこと | その先へ進むために必要だったこと | 自分の準備へ置き換えるなら |
|---|---|---|
| マネーフォワードの設立ツールへ入力 | 社名・住所・事業目的・資本金・決算月などの整理 | 入力欄を開く前に、決めた情報と未確定の情報を分ける |
| 電子定款のCD-Rを用意 | 手元のPCにCDドライブがなかったため、作成を依頼 | 自分の申請方法で必要な媒体と、それを用意する手段を先に確認する |
| 会社の印鑑や書類の到着を待つ | 注文・依頼したものが届くまでの時間 | 自分の作業時間とは別に、注文先・到着待ち・次の工程を記録する |
| 準備した書類を法務局の窓口へ提出 | 書類の準備と、窓口へ行く予定 | 選ぶ提出方法に合わせ、準備物と移動の予定を一緒に確認する |
| 法人口座を申し込む | 申込み後、利用開始までの期間 | 申込日と使えるようになった日を、別の完了欄にする |
これは、ぼくが選んだ方法の整理です。手続きの標準順序や、現在の必要書類の一覧ではありません。CD-Rや印鑑を同じように購入する前に、自分が使う方法の案内を確認してください。
ぼくのCD-Rの例なら、「書類を用意する」とだけ書くと、作成する機器や依頼先が予定から抜けます。次に必要なのは、入力を頑張ることではなく、媒体と用意する方法を確かめることでした。
読者のみなさんの工程でも、自分の手を動かす作業なのか、まだ決めていない条件なのか、誰かの対応を待っているのかを分けてみてください。「準備が終わらない」を一つの大きな宿題にせず、今日進められる部分を見つけるためです。
自分用の設立準備メモをつくる
手続きの名前だけを並べるより、「何が決まれば進められるか」まで書くと、次の一歩を選びやすくなります。
| 項目 | 今日確認すること |
|---|---|
| 決めること | まだ決まっていない情報は何か |
| 自分の作業 | 情報が決まったら何をするか |
| 待つこと | 誰へ依頼し、何の到着や回答を待つか |
| 外出・提出方法 | 自分に必要な方法、機器、提出先は何か |
| 期限 | どこで確認し、いつまでに何を提出するか |
| 次の行動 | 今日進める一つの作業、または一つの質問 |
表を、自分のメモに書き写すなら、この形も使えます。
準備するもの・手続き:
自分が選ぶ申請方法:
案内を確認したページ・確認日:
先に決める情報:
自分でできる作業:
依頼する相手・待つもの:
次へ進める条件:
正式な提出期限の確認先:
今日することを一つ:
たとえば、ぼくのCD-Rの工程をこの形式で振り返ると、次の部分を書けます。
- 準備するもの:当時選んだ方法で使う電子定款のCD-R。
- 自分の状況:手元のPCにはCDドライブがない。
- 用意する方法:作成を依頼する。
- 分けて記録すること:依頼する作業と、受け取るまでの待ち時間。
これは実例を記事のメモ形式へ整理し直したものです。当時この様式を使っていたという記録ではありません。依頼から到着までの正確な日数も、この例では示していません。
全部を今日終わらせる必要はありません。まず、選ぶ申請方法と、書類をつくる前に決める情報を確認する。それだけでも準備は進みます。
一人の30日間を、順番に読んでみたい人へ
この記事では、負担の種類を分ける考え方と、準備メモを紹介しました。
さらに「社名や住所を決めたあと、実際には何をしていたのか」「どこで待ち、何にお金を払ったのか」を一つの流れで見たい方へ、ぼくのKindle本『引きこもりフリーランスが30日間で合同会社をつくるまで』があります。
一人の合同会社を、設立ツールとバーチャルオフィスを使ってつくった経験をまとめた本です。華やかな起業物語より、書類や準備物と向き合った、地味だけれど具体的な記録に近いです。
誰でも30日で終わるという約束でも、すべての設立方法を網羅した専門書でもありません。 自分の準備を想像するために、一つの実例を通して読む。そんな使い方が合う本です。
内容が今の準備に合いそうなら、Amazonで目次と試し読みを確認するか、本の内容と対象読者を読むへ進んでください。
法人化するかどうかから考えたい場合は、会社をつくる前の判断整理シートで目的・費用・事務負担を整理できます。
仕事と生活の条件を見直したい方は、フルリモートを続ける7条件も使えます。
よくある質問
一人で合同会社をつくるには、何日かかりますか?
選ぶ方法、準備状況、依頼先の対応などで変わります。ぼくの約30日間は一つの経験で、所要日数の保証ではありません。作業時間、待ち時間、提出期限を分けて予定に入れます。
法務局や税務署へ必ず行く必要がありますか?
必ずぼくと同じ方法で外出する必要があるとは限りません。手続きによってオンラインや郵送などの選択肢があります。自分の条件で利用できる方法と必要な準備物を、公式案内で確認してください。
この記事は、必要な届出をすべて網羅していますか?
していません。準備の負担を整理するための記事です。必要な手続き、提出先、期限は、自分の事業や選択した方法に合わせて確認します。
手続きの確認先
一般制度の確認日:2026年10月2日。実体験は2025年の設立時のものです。
サムネイル写真:Elle Hughes / Pexels(Pexels License)。記事テーマに合わせたイメージ写真であり、本人の使用環境や体験を撮影したものではありません。
